こんにちは。
気象予報士ともみです。
年間を通して降水量の多い九州南部。
なんと全国の県庁所在地で、宮崎は2位、鹿児島は6位。
中でも、梅雨の季節である6月~7月にかけての降水量は、年間の3割です。
ときに災害になるほどの豪雨となるため、
梅雨明けの時期を知りたいですよね。
例年のデータの平均から、2020年の梅雨明けを予想しました。
梅雨入り・梅雨明けの時期は、
直近の天気図を確認しないと、はっきりした予想はできませんが、
ここでは、平年値からおおよその時期を予想しています。
九州南部は、以下の4つが含まれます。
- 宮崎県
- 鹿児島県の本土
- 種子島
- 屋久島
クリックできる目次
九州南部の梅雨明けの例年の平均は?
梅雨明けは、鹿児島地方気象台が、
次の条件を判断して発表しています。
- 雨が2日以上続いていた後、前日と本日が晴れ
- 週間天気予報で5日以上が晴れ(または一部曇り)
- 梅雨前線が北上し、戻ってこないと判断されている
このような気象条件のときに、
鹿児島地方気象台の方
「梅雨明けしたとみられる」
と発表します。
そうして出された梅雨明け宣言のデータの平均が、
7月14日ごろとなっています。
ちなみに・・・
「梅雨明けしたとみられる」と表現があいまいなのは、
梅雨明けの判断は、梅雨の晴れ間との区別が難しく、
数か月後に天気を振り返って、梅雨明け日が変更されたりすることもあるからです。
そういえば、梅雨明け発表の後に、晴れたりすることがあるかも。
また、この梅雨入り・梅雨明けのデータを、気象庁では1951年から残しています。
2020年の九州南部の
梅雨明け予想をしたいと思います。
2020年の九州南部の梅雨明け時期予想
結論から先に言うと、
7月11日~7月26日頃ではないかと予想します。
その理由は以下の2つ。
- エルニーニョ現象の影響はあまりない
- 例年の平均からの傾向
1. エルニーニョ現象の影響はあまりない
はるか遠く海のかなた、南米ペルー沖での海水温が上昇することで、
世界各地の天候に影響を与える現象をエルニーニョ現象といいます。
【関連記事:エルニーニョ現象とは?】
このエルニーニョ現象ですが、
日本に、冷夏や暖冬をもたらし、
さらに、西日本の一部で、
梅雨明けの時期が遅くなりやすいと言われています。
ただ、下のグラフを見てわかるように、
九州北部と九州南部は、
他の西日本の地域と比べて、梅雨明けが遅くなる確率がそれほど高くありません。
引用:気象庁
本当だ。
他の地域は54~62%と確率が高いのに、
九州北部と九州南部は、46%と、半分以下だね。
このため、エルニーニョ現象による、
梅雨明け時期の遅れは考えず、例年の平均から予想をしていきたいと思います。
2. 例年の平均からの傾向
九州南部の梅雨明けの平年値は、
7月14日頃です。
これは、1951年からのデータの積み重ねから計算されたものです。
一方、気象庁では、
気温・降水量・日照時間の平年値を計算する場合は、10年ごとに更新します。
たとえば、次のようになります。
2001年~2010年までは、1971~2000年の観測値の平均、
2011年~2020年までは、1981~2010年の観測値の平均、
とすれば、梅雨明けの平年値を求めるのも、
平均をとるデータの期間を、
もう少し現代に近い期間にしぼってもいいかなと思います。
ということで、
2000年以降にしぼって表を作成してみました。
年 | 梅雨明け | 平年(7月14日)との差 |
2000年 | 7月15日ごろ | +1 |
2001年 | 7月20日ごろ | +6 |
2002年 | 7月21日ごろ | +7 |
2003年 | 7月22日ごろ | +8 |
2004年 | 7月11日ごろ | -3 |
2005年 | 7月15日ごろ | +1 |
2006年 | 7月25日ごろ | +11 |
2007年 | 7月18日ごろ | +4 |
2008年 | 7月 6日ごろ | -8 |
2009年 | 7月12日ごろ | -2 |
2010年 | 7月20日ごろ | +6 |
2011年 | 7月 8日ごろ | -6 |
2012年 | 7月23日ごろ | +9 |
2013年 | 7月8日ごろ | -6 |
2014年 | 7月16日ごろ | +2 |
2015年 | 7月14日ごろ | 0 |
2016年 | 7月18日ごろ | +4 |
2017年 | 7月13日ごろ | -1 |
2018年 | 7月 9日ごろ | -5 |
平年より梅雨入りが早かった年を-(マイナス)、
逆に遅かった年を+(+)として計算すると、
合計28
これを2000年から2018年の19年で割ると、1.4736・・・となり、
小数点第2位以下を四捨五入して、およそ1.5
つまり、2000年以降の平均だと、
平年値の7月14日より梅雨明けが1.5日遅いということになります。
この傾向が2020年も続けば、
7月11日~7月25日ころに梅雨明けするのではないかと予想します。
【関連記事:日本各地の梅雨明け時期はここをクリック】
九州南部が梅雨に降水量が多い理由
九州南部は年間を通して降水量が多く、
県庁所在都市の年間降水量の平年値は、宮崎市が2位(2508ミリ)、鹿児島市は6位(2265ミリ)です。
特に梅雨の季節は、下のグラフのように年間降水量の3分の1ほどとなります。
【鹿児島】
【宮崎】
引用:鹿児島地方気象台
私も九州出身で、現在は東京に住んでいるのですが、
たしかに体感的にも、東京に比べて九州の梅雨の降水量は多い気がします。
梅雨の時期の雨の降り方も違うよね。
九州はザーザーと激しいけど、東京はシトシトとした静かな雨。
なぜ、九州は降水量が多く、しかも梅雨のときの雨の降り方が強いのでしょうか?
それは、九州、とくに九州南部が梅雨前線の影響を受けやすい場所だからです。
【関連記事:梅雨前線とは?】
梅雨の時期は、太平洋高気圧のふちを回るように、
南からの暖かく湿った空気が梅雨前線に向かって流れ込みます。
そして、この暖かく湿った空気が、
山の斜面をのぼって上昇気流となり、大量の雨を降らせるのです。
しかも、梅雨前線上に次々と低気圧や積乱雲が発生するため、
激しい雨や雷雨となります。
だから、あんなにザーザー降りになるんだね。
そうなんだよ。
降水量が多い上に、鹿児島や宮崎といった九州南部は地盤も弱いから、
災害対策をしっかりしたほうがいいよ。
九州南部は地盤が弱いため防災の準備を!
全国的に見ても年間降水量の多い宮崎・鹿児島。
その上、シラス台地という火山噴出物からなる土地が
鹿児島県本土の52%、宮崎県本土の16%を占めています。
このため、大量の雨が降ると、土砂災害となりやすいのです。
災害が起きてから防災グッズを集めていては、
自分や家族の大切な命を守ることができません。
災害が起こる前に、
防災グッズを準備しておくと、いざという時役に立ちます。
万が一のとき、自分や家族のために、防災グッズを用意しておくことをおすすめします。
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