こんにちは。
気象予報士ともみです。
なかなかスカッと晴れる日が続かず、
お布団や洗濯物が乾かしづらい日々が続く梅雨。
そんな梅雨があけると、
北陸地方は1年でもっとも晴れる日が多い季節である夏がやってきます。
梅雨明けが気になりますよね。
そこで、気象予報士の私が、平年との比較などから
北陸地方の梅雨明け予想をしたいと思います。
北陸地方とは次の4県です。
- 新潟県
- 富山県
- 石川県
- 福井県
梅雨入り・梅雨明けの時期は、
直近の天気図を確認しないと、はっきりした予想はできませんが、
ここでは、平年値からおおよその時期を予想しています。
クリックできる目次
北陸の梅雨入りの例年の平均はいつ?
北陸地方の梅雨明けは、
平均すると7月24日頃となっています。
梅雨明け宣言は、各地方の気象台が以下の条件を判断して発表するよ。
北陸地方の場合は、新潟地方気象台が判断を行うよ。
- 雨が2日以上続いていた後、前日と本日が晴れ
- 週間天気予報で5日以上が晴れ(または一部曇り)
- 梅雨前線が北上し、戻ってこないと判断されている
上記の条件がそろうと、
新潟地方気象台の方
「梅雨明けしたとみられる」
と発表します。
【関連記事:北陸以外の梅雨明け情報はここをクリック 】
「梅雨明けしたとみられる」と、ぼかした表現がされているのは、
数か月後に天候を振り返って、梅雨明けの日が変更されることがあるからです。
そうやって、気象台の方が、
毎年考えて発表した梅雨明けのデータの積み重ねは、1951年からあります。
2020年の北陸の梅雨明け予想をします。
2020年の北陸の梅雨明け予想!時期はいつ?
2020年の梅雨明けっていつだろう?
気になる!
結論から先に言うと、
7月16日~7月30日ころではないかと予想します。
その理由は以下の2つ。
- エルニーニョ現象の影響は無し
- 例年の平均と2000年以降の傾向
1. エルニーニョ現象の影響は無し
エルニーニョ現象とは、ざっくりいうと、
日本のはるか遠く南米ペルー沖の海面水温が上昇する現象です。
実は、エルニーニョ現象は日本の天気にも影響を与えます。
関連記事
詳しくは下の記事をチェックしてください。
エルニーニョ現象のとき、日本では、
暖冬&冷夏になりやすいと言われています。
そして、もうひとつ、
一部の地域の梅雨明けの時期が遅くなると言われています。
ただ、下のグラフを見てわかるように、
その一部の地域というのは西日本に多く、
北陸地方は例年とそこまで変わらず影響はあまりありません。
引用:気象庁
そのため、北陸地方の梅雨明け予想には、
エルニーニョ現象の影響を考えずに、
平年値と2000年以降の平均を参考に予想したいと思います。
2. 例年の平均と2000年以降の傾向
そうだね。
ところで、この平均は、いつからの平均だと思う?
梅雨明けの平年日(7月24日)は、1951年からの記録の平均となっています。
何かの平均をとるとき、もちろん母数となる数が多いほうが、
より正確な値に近づくのですが、
ただ、気象の場合は、気候変動や温暖化など環境の変化にともなって、
平年も少しずつずれていくのかなと考えます。
たとえば、気温・降水量・日照時間の平年値を計算する場合は、
気象庁は、10年ごとに更新するんですね。
たとえば、次のようになります。
- 2001年~2010年までは、1971~2000年の観測値の平均
- 2011年~2020年までは、1981~2010年の観測値の平均
そのため、梅雨明けについても、
1951年からの平均に加えて、
もう少し最近の2000年以降の平均も参考にしたいと思います。
下は、2000年以降の北陸の梅雨明け日と平年との差を表にしたものです。
年 | 梅雨明け | 平年(7月24日)との差 |
2000年 | 7月19日ごろ | -5 |
2001年 | 7月 2日ごろ | -22 |
2002年 | 7月23日ごろ | -1 |
2003年 | 8月 1日ごろ | +8 |
2004年 | 7月22日ごろ | -2 |
2005年 | 7月18日ごろ | -6 |
2006年 | 7月30日ごろ | +6 |
2007年 | 8月 1日ごろ | +8 |
2008年 | 8月 6日ごろ | +13 |
2009年 | - | |
2010年 | 7月17日ごろ | -7 |
2011年 | 7月 9日ごろ | -15 |
2012年 | 7月26日ごろ | +2 |
2013年 | 8月 7日ごろ | +14 |
2014年 | 7月21日ごろ | -3 |
2015年 | 7月25日ごろ | +1 |
2016年 | 7月19日ごろ | -5 |
2017年 | 8月 2日ごろ | +9 |
2018年 | 7月 9日ごろ | -15 |
平年より梅雨入りが早かった年を-(マイナス)、
逆に遅かった年を+(+)として計算すると、
2000年以降の平均は、合計-20
これを19で割ると、-1.052・・・となり、
小数点第2位以下を四捨五入して、およそ-1.1
つまり、2000年以降の平均だと、
平年値の7月24日より1.1日早い梅雨明けとなります。
7月23頃ということになります。
この傾向が2020年も続けば、
7月16日~7月30日ころに、北陸は梅雨明けするのではないかと予想します。