すぐに地元市町村の避難情報にしたがって、命を守る行動をしてください。
こんにちは。気象予報士のともみです。
天気予報やニュースを聞いていると、大雨特別警報という言葉が出てくることがありますよね。
「特別」という言葉がはいっていることからもわかる通り、通常の大雨警報より、はるかに危険度が高いことを知らせるために作られたものです。
それでは、詳しく説明していきますね。
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大雨特別警報とは何?
大雨特別警報は、緊急の避難指示が出るような危険な状況の次元を、はるかに超えるような現象のときに発表されます。
具体的には、
台風や集中豪雨によって、数十年に1度の雨の量が降る大雨が予想されたときです。
発表時には、何らかの災害がすでに発生している可能性が高いです。
数十年に1度の雨の量が降るような大雨を、気象庁では、次の2パターンと定義しています。
ちょっと言葉が難しいですが、わかりやすく説明していくので安心してくださいね。
- 「48時間の降水量」と「土壌雨量指数」が、50年に一度の値以上となった5km格子が、
ともに50格子以上まとまって出現 - 「3時間降水量」と「土壌雨量指数」が、50年に一度の値以上となった5km格子が、
ともに10格子以上まとまって出現
ひとくちメモ
5km格子とは・・・
日本全国を、5km×5kmに区切った範囲のことを言います。
ひとくちメモ
土壌雨量指数とは・・・
降った雨によって、どのくらい土砂災害の危険が高まっているかを把握するための指標です。
つまり、
- 「48時間の降水量」と「どのくらい土砂災害の危険が高まっているかの指標」が、50年に一度の値以上となった5km四方の場所が、
50個以上まとまって現れたとき - 「3時間降水量」と「どのくらい土砂災害の危険が高まっているかの指標」が、50年に一度の値以上となった5km四方の場所が、
10個以上まとまって現れたとき
となります。そして、
上の①②いずれかを満たすと予想されて、さらに、雨が降り続くと予想されるときに、
その条件を満たした地域の中で、
- 50年に一度の48時間降水量
- 50年に一度の3時間降水量
- 50年に一度の土壌雨量指数
この3つ中で、もっとも危険が迫っている市町村に対して大雨特別警報が発表されます。
では、「50年に一度の48時間降水量」「50年に一度の3時間降水量」「50年に一度の土壌雨量指数」の
それぞれは、一体どのくらいの量なのでしょうか?
大雨特別警報はどのくらいの雨が発表基準?
A市は、1日の平均降水量が30mm、
B市は、一日の平均降水量が60mmだったとして、
一日に50mmの降水量が予測されたとき、
A市とB市どちらが、災害の危険性が高いと思う?
大雨特別警報と一口に言っても、それぞれの市町村によって、もともとの平均の降水量が違うので、
すべての市町村に同じ発表基準を設けるわけにはいきません。
そのため、気象庁では、それぞれの市町村の平均の降水量や、過去どのくらいの災害につながったかなどについて、
都道府県知事や市町村長の意見をとりいれて、各市町村が大雨特別警報を発表する基準を設けています。
- 50年に一度の48時間降水量
- 50年に一度の3時間降水量
- 50年に一度の土壌雨量指数
それぞれがどのくらいの量なのか、気象庁のHPに、わかりやすい図解があったので、下に引用しました。
引用:気象庁の大雨特別警報資料
上の3つの図は、日本全国を全体的にパッと見た感じで理解しやすいですよね。
年間を通して、降水量が多い西日本や太平洋側の地域ほど、大雨特別警報の雨量の発表基準の値も多い傾向になっていることがわかります。
もし、お住いの地域などの詳しい数字が知りたい場合は、気象庁の以下のページに詳しく書いてあるので、参考にしてみてくださいね。
大雨特別警報が出る前に、すぐ避難を!
気象庁は、住民がどのような行動をとる必要があるか直感的に理解できるために警戒レベルを設定しています。
この警戒レベルは、レベル1からレベル5の5段階に分けられています。
大雨特別警報は、もっとも危険なレベル5の状況です。
土砂崩れや浸水など何らかの災害が発生しいている可能性が極めて高くなっており、
命を守るために最善を尽くすよう呼びかける段階です。
レベル5からレベル1の内容を下の表にまとめました。
レベル1は、大雨の数日~約1日前。
レベル2は、大雨の半日~数時間前。
レベル3は、市町村から「避難準備の情報」が出され、高齢者や体の不自由な方はなどは早めの避難が必要。
レベル4は、市町村から「避難指示」や「避難勧告」が出される。
そして、レベル5。これは大雨特別警報の段階です。
ここで注意していただきたいのは、大雨特別警報が発表されているときというのは、
すでになんらかの災害が発生している段階ということです。
発表された後では、避難を開始するのが難しい段階になってしまっているのです。
そのため大雨特別警報がまだ発表されていない地域であっても、大雨特別警報の発表を待つことなく、
地元の市町村からレベル4(避難指示・避難勧告)が発令された段階ですぐに避難を行うことが重要です。
災害が起きないと思われているような場所であっても、災害の危険度が高まる異常事態です。
避難するのが夜間だった場合は、視界が悪くなるので、足元や周囲の状況を十分に確認して行動してくださいね。
今いる場所の災害発生の危険度は、以下の気象庁HPの「危険度分布」で確認することができます。
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