こんにちは。気象予報士のともみです。
ピカッと光ったかと思うと、そのあとゴロゴロと低い音が鳴る雷。
怖いですよね。
でもなんで空を光が走ったり、音が鳴ったりするのでしょうか?
今回はその雷について仕組みを簡単に図で解説しますね。
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雷の仕組みを簡単に解説!
雷は大気の状態が不安定な時に発生します。
「大気の状態が不安定」という言葉は、天気予報で気象予報士の方が話しているのを聞いたことがあるかもしれませんね。
これは簡単に言うと、以下のような状態です。
- 空気の下の方→暖かく湿った空気がある。
- 空気の上の方→冷たく乾いた空気がある。
大気の状態が不安定になるのはどんな時?
暖かい空気は軽くて、冷たい空気は重いから、普通は、暖かい空気は上に向かい、冷たい空気は下に向かいます。
この状態の時、大気の状態は安定しています。
ところが、太陽で地面が暖められたり(夏)、上空に冷たい空気が流れ込んだり(冬)すると、この反対、つまり地面近くの下の方の空気ほど暖かくなり、上の方は相対的に冷たくなります。
そうすると、大気の状態は不安定になるわけです。
この不安定な状態を解消しようと、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行こうとします。
このとき、上昇気流によって強い対流雲ができて、かみなり雲が発生しやすくなるのです。
雷雲が発生しやすくなるのは、上空の気温がだいたいマイナス10℃~マイナス20℃のときです。
このとき雷雲は、上空の冷たい空気で冷やされて、雲の中で大きな氷の粒と小さな氷の粒ができます。
この大小の氷の粒やちり、水などが、強い上昇気流の中でぶつかり合い、マイナスとプラスの電気を発生させます。
プラスとマイナスの電気が雷の原因
小さな氷の粒には、プラスの電気がくっつき、上の方にたまります。
大きな氷の粒には、マイナスの電気がくっつき、下の方にたまります。
この電気は少しずつ雲の中にたまっていきます。
でも、かかえきれなくなると、地面に向かっていきなり電気が一気に流れていきます。
雲の中だけでなく、ほかの雲や、地面にむかっても電気が流れていくんです。
流れた電気が地面に届くと、電流が通ります。
そして今度は、地面から上空にめがけて電流の柱が登っていくんです。
これが雷です。
「雷が落ちる」とよく言ったりしますが、実際は上から下へ落ちるのではなく、下から上へ向かうのが雷なんです。
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