こんにちは。気象予報士のともみです。
天気予報を見ていて、たまに出てくるあの言葉。
そう、エルニーニョ現象。
遠い海の向こう、南米で発生する現象ですが、日本をはじめ、世界各国の天候に大きな影響を与えます。
ここでは、エルニーニョ現象とは?について、どこよりもわかりやすく簡単に解説したいと思います。
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エルニーニョ現象とは?わかりやすく解説
ココがポイント
エルニーニョ現象とは?
南米のエクアドルやペルーの沿岸付近の海面水温が、いつもの年よりも高くなる現象です。
これによって、もくもくした積乱雲が発生しやすい場所が変わったり、亜熱帯高気圧の位置や強さが変わったりするので、異常気象が起きやすいと言われています。
でも、どうしてエルニーニョ現象が起こるんだろう?
エルニーニョ現象が発生する理由
まず、エルニーニョ現象が発生していない普通の年は、下の図のように、インドネシア付近の海面水温は、28℃を超える暖かい海が広がっています。
引用:気象庁
これに対して、エルニーニョ現象が発生している年。
このとき南米のエクアドルやペルー沿岸付近の海面水温は22℃以下の低い温度になっています。
この理由は、大きく分けて次の3つです。
- 南米沖では、貿易風と呼ばれる東からの風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられている。
- ①によって、西部のインドネシア付近の海では、暖かい海水がたまる。
- ①によって、南米沖では、冷たい海水が、海の深いところから湧き上がってくる。
そして、毎年12月頃になると、深海からの冷たい海水の湧き上がりが衰えてきます。
そうして、エクアドルやペルーなどの南米沿岸付近の海面水温が高くなってきます。
これによって、
- 12月~1月のピーク時には、最大2℃~5℃も上昇
- 3月頃になると元に戻る
のが、通常の年です。
ところが!
エルニーニョ現象が発生している年は違います。
3月になっても元に戻らず、深海からの冷たい海水の湧き上がりが衰えたまま。
さらに、
東風が平年より弱いので、
インドネシア沿岸付近にたまっていた暖かい海水が、南米沿岸の海水に広がってきます。
このため、南米沿岸付近の海面水温は、高いままの状態となります。
引用:気象庁
これにともなって、積乱雲が盛んに発生する海域が、平年よりも東の方にずれます。
さらに、それだけではありません。
エルニーニョ現象の影響は、日本をはじめ、
東南アジア、オーストラリア、インド、西アフリカ、南アフリカ、南米など・・・
多くの国の天気にも影響します。
日本にはどんな影響があるの?
日本への影響は?
今見てきたように、
ココがポイント
エルニーニョ現象とは、
南米沿岸付近の海面水温が高い状態が続くことによって、世界のあちこちにその影響がおよぶこと
とお話してきました。
エルニーニョ現象が起こった年は、日本では次の3つの天候が起きやすくなります。
- 暖冬
- 梅雨が長くなる
- 冷夏
遠い海の向こうの南米で起きた現象が、
はるか遠くの日本の冬を暖かくしたり、
梅雨を長くしたり、
冷夏にしたりするって面白いね。
それでは、最後に、エルニーニョ現象が発生した年をまとめたいと思います。
エルニーニョ現象の発生年の一覧
エルニーニョ現象が発生した年の一覧 |
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1951年春~1951/52年冬 |
1953年春~1953年秋 |
1957年春~1958年春 |
1963年夏~1963/64年冬 |
1965年春~1965/66年冬 |
1968年秋~1969/70年冬 |
1972年春~1973年春 |
1976年夏~1977年春 |
1982年春~1983年夏 |
1986年秋~1987/88年冬 |
1991年春~1992年夏 |
1997年春~1998年春 |
2002年夏~2002/03年冬 |
2009年夏~2010年春 |
2014年夏~2016年春 |
2018年秋~2019年春 |
エルニーニョ現象って数年おきに発生しているんだね。