こんにちは。気象予報士のともみです。
大雨や台風が予測されたとき、ニュースや天気予報で「ハザードマップ」という言葉を聞いたことがあると思います。
でも一体それがどんなものなのか、使い方もいまいちよくわからないですよね。
そこで今回は、ハザードマップとは何?について、お話しますね。
この記事を読んでわかること
- ハザードマップとは?
- 【図解】重ねるハザードマップの使い方
- 【図解】わがまちハザードマップの使い方
ハザードマップは災害から避難するときなどに、とても役立つので、普段からチェックしておくのがおすすめです。
それでは解説していきますね。
クリックできる目次
ハザードマップとは何?気象予報士が簡単に解説!
ハザードマップのハザードは英語で「危険」を意味します。
つまり簡単に言うと、危険マップ(地図)ということです。
自然災害による被害を予測して、その被害がどこにおよぶか、そしてどこへどうやって避難すればよいかを地図上に表しています。
たとえば下の図。
ハザードマップから引用しているのですが、
東京と神奈川の境にある多摩川が氾濫した場合、最大でどのくらい浸水するかの想定区域を表しています。
引用:重ねるハザードマップ
この色分けは、赤が濃くなるほど深く浸水することを表していて、具体的には次の表のようになっています。
多摩川流域ということもあり、かなり広範囲に色がついていますね。
しかも一部の地域では、浸水が5~10m予想されていることもわかります。
このように浸水が予想されていると色分けされている地域に住んでいる方は、
もし大雨や台風が来た場合は、できるだけ安全な場所に避難したいですよね。
そういうときは今度は次の図を見ることができます。
緑色の人が走っているマークは「洪水時の避難場所」がある所を示しています。
この地図は、実際のハザードマップの画面では拡大することができるため、いざという時の地元の避難場所がわかります。
ところで、今見てきたハザードマップは「重ねるハザードマップ」というものです。
実はハザードマップには2種類あります。
- 重ねるハザードマップ
- わがまちハザードマップ
ポータルサイトもあるので、スマホで手軽に避難場所を確認することができます。
それぞれについて詳しくみていきますね。
重ねるハザードマップの使い方
ココがポイント
「重ねるハザードマップ」とは・・・
防災に役立つ災害リスク情報などを、地図や写真に自由に重ねて表示することができます。
ここではパソコンからの見方や使い方をご紹介しています。
スマホから見たい場合は、以下の記事をご覧ください。
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使い方
①「重ねるハザードマップ」のページを開くと下の画面が出てきます。
ここの検索バーに、防災情報を知りたい場所の住所を入力します。
② 入力した住所の地図が出てきたら、今度は「災害種別で選択」から、知りたい災害情報をクリックします。
種別は以下の4項目あります。
- 洪水・・・浸水のおそれがある場所
- 土砂災害・・・土砂災害の危険がある場所
- 津波・・・津波のおそれがある場所
- 道路防災情報・・・通行止めになるおそれがある道路
③ たとえば、「土砂災害」を選択すると以下のように、土砂災害で危険な場所が黄色く色づけされます。
これらのボタンは複数同時に選択できるので、たとえば、洪水(浸水のおそれがある場所)、土砂災害(土砂災害の危険がある場所)、道路防災情報(通行止めになるおそれがある道路)を重ね合わせると、避難の際に避けるべき道路もわかります。
ひとくちメモ
- 事前通行規制区間とは?
・・・大雨などで土砂崩れや落石のおそれのある箇所について、規制の基準を定めて、災害が発生する前に通行止めなどの規制を実施する区間
- 道路冠水想定箇所とは?
・・・アンダーパス(道路を掘り下げて交差する道路の下をくぐる形にした道路)など、大雨の際に冠水し、車両が水没するなどの重大な事故が起きる可能性がある箇所
④ 洪水、土砂災害、津波、道路防災情報以外の情報を知りたい場合は、「すべての情報から選択」をクリックすると、「情報リスト」という吹き出しが出てくるので、そこからさらに詳しく情報を知ることができます。
たとえば、強い地震が起きた時に被害のおそれのある場所を知るには、
- 活断層図・・・活断層の位置
- 急傾斜地崩壊危険箇所・・・がけ崩れのおそれがある場所
- 大規模盛土造成地・・・人工的に盛った地盤の場所
を重ね合わせて、地震に関する様々な災害危険性を把握することができます。
ほかにも、この情報リストからは以下の内容をみることができます。
- 洪水浸水想定区域
・・・河川氾濫により浸水が想定される区域と浸水深が閲覧可能。想定最大規模と計画規模があります。 - 緊急輸送道路
・・・災害直後から、救難・救助・物資供給等の応急活動のために、緊急車両の通行を確保すべき重要な道路。 - 道路冠水想定箇所
・・・アンダーパス(道路を掘り下げて交差する道路の下をくぐる形にした道路)など、大雨の際に冠水し、車両が水没するなどの重大な事故が起きる可能性がある箇所。 - 事前通行規制区間
・・・大雨などで土砂崩れや落石の恐れのある箇所について、規制の基準を定めて、災害が発生する前に通行止めなどの規制を実施する区間。
他にも・・・
- ため池浸水想定区域
- 津波浸水想定
- 土砂災害警戒区域等
- 土砂災害危険箇所
- 予防的通行規制区間
- 過去から現在までの空中写真
- 土地条件図
- 沿岸海域土地条件図
- 治水地形分類図
- 明治期の低湿地
- 活断層図
- 火山基本図
- 火山土地条件図
- 色別標高図
- 自由な色別標高図
- 大規模盛土造成地
いっぱいあるんだね。
日頃から、いろんなボタンをクリックしてみて、どんな情報が出ているかみておくと、いざという時にすぐ使えそうだね。
わがまちハザードマップの使い方
ココがポイント
「わがまちハザードマップ」とは・・・
全国の市町村が作成したハザードマップを、地図や災害種別から簡単に検索することができます
使い方
① わがまちハザードマップのページを開くと、「地図から選択する」「災害種別から選択する」という二つの項目が出てきます。
どちらからも選択できるのですが、私が実際使ってみた感想としては「地図から選択」したほうが見やすかったので、そちらをご紹介しますね。
② 次に、ハザードマップを見たい都道府県にカーソルをもっていきます。
ここでは例として「千葉県」にカーソルを持っていき、クリックます。
③ 千葉県のアップが表示されるので、自分の知りたい市町村にカーソルをもっていきます。
ここでは例として「いすみ市」にカーソルをもっていき、クリックします。
④ すると以下のようなウインドウが出てきます。
この中で青文字で「インターネットで公開している」という表示があるものは情報が出ているので、その横にある「公開URLを開く」をクリックします。
ここでは例として「洪水ハザードマップ」をクリックします。
⑤ すると以下のように、詳しい情報が掲載されているページに飛びます。